投稿

【トランスジェンダー追悼の日】焚き火の夕べ 開催のお知らせ(2025.11.22.sat)

イメージ
――シスジェンダー中心主義社会で喪われた<生>を悼む――  毎年11月20日はTDOR(Transgender Day of Remembrance)、トランスジェンダー追悼の日とされています。 1999年に米国マサチューセッツ州およびカリフォルニア州ではじまったこの運動は、その後国境を超えて広まり、社会におけるトランス嫌悪の標的とされて命を奪われてしまったトランスジェンダーを追悼し、トランスの人権保護を啓発する取り組みとして、世界各地で取り組まれるようになりました。( 註1 ) わたし達も、性別二元的・トランス排除的・異性愛中心的たるこの世界で、命を落とさざるを得なかった全ての非シスジェンダー、トランスジェンダーを追悼するための集いを、22日(土)に東京で開催したいと思います。 当日は、ささやかではありますが、会場にて焚き火を用意します。 喪われてしまった命を惜しむ気持ちはもちろん、今日も生きることを続けながら、しかし日常の中で、自己の存在を自ら圧し殺して耐えねばならない苦しさ、哀しさ等も、どうかお持ち寄りください。 木を火にくべて、共に悼みましょう。 記 TDOR トランスジェンダー追悼の日 焚き火の夕べ(&BBQ) ――シスジェンダー中心主義社会で喪われた<生>を悼む――   ■日時 11月22日(土)16時30分〜 ※雨天中止 ※BBQ 13時〜16時 ・会場では、BBQも可能です。ご希望の方は、焚き火を開始する前の時間にお越しください。食材持ち寄りで、食事と交流を楽しみましょう。 ・焚き火とBBQの両方、あるいはどちらか一方だけの参加も、まったく問題ありません。いづれも途中参加/離脱、まったく自由です。 ■場所 大田区平和島 ※具体的な所在地は、お申し込み後にご通知致します ■交通アクセス ・平和島駅(京浜急行本線)より徒歩15分ほど ・流通センター駅(東京モノレール羽田空港線)より徒歩10分ほど ・大森駅(JR京浜東北線)よりバスで10分→徒歩で5分ほど ■会場のバリア状況 ・敷地には沿道から障壁物なしにアクセス可能ですが、会場は芝生の土地であり、段差や起伏のある非平面となります。 ・会場敷地内に、男女の性別によって分けられたトイレがあります。また、それと入り口を別にして、性別を問わず利用可能で、かつ車...

読書会のお知らせ:『99%のためのフェミニズム宣言』(2025年10月18日)

イメージ
  「 (非シスのための)フェミニズム読書会 」としては、第1回目の開催となります。 ここからしばらくの間は、【「99%」としてのトランスジェンダー、その可能性】というテーマで、種々のテクストを読んでいきます。 まずは、2019年に発表されて話題となった「99%のためのフェミニズム宣言」( ”Feminism for the 99%: A Manifesto” Cinzia Arruzza , Tithi Bhattacharya , Nancy Fraser )を取り上げます。 本書は2017年1月、米国での第一次トランプ政権発足に抗して行われた「ウィメンズ・マーチ Women’s March」 、そしてその継続を呼びかけて、国際女性デーである3月8日に行われた「国際ウィメンンズ・ストライキ International Women’s Strike」 と、これら一連の運動に寄せた「宣言 Manifesto」として発表されました。 2019年の発売以降、2020年段階で25カ国において翻訳・出版され話題を呼んだ本書を、この読書会では、ウィメンズ・マーチなど近年国際的な広がりをもって取り組まれているフェミニズム運動の思想的到達点の一つと見立て、その内容に迫っていきたいと考えています。 今後、他の論考を読んでいくにあたってのベースとして、折に触れて立ち返る文献となります。  ぜひこの機会に、一度通読してみましょう。 読書会では、まずは今後の議論の出発点となる視点を、皆さんと出し合いたいと思います。 本書や、本書の周辺で行われているフェミニズムについての様々な議論を見つつ、”「99%」としてのトランス ” の可能性について、考えていきたいと思っています。   参考:今後取り扱うテクスト(予定) ・日本のポストフェミニズム :「女子力」とネオリベラリズム(菊地夏野) ・ポストフェミニズムの夢から醒めて(菊地夏野) ・牧野良成 マニフェストの先へと、ともに歩を進めるために:連帯論としての『99%のためのフェミニズム宣言』への応答の試み ・資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか (ナンシー・フレイザー )   記 ■取扱テクスト 99%のためのフェミニズム宣言(シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナ...

(非シスジェンダーのための)フェミニズム読書会 はじめます

イメージ
  フェミニズムとは、何なのか。 それは、どのようなものとして現象しているのか。 わたし達 "フェミニスト‐トランス" にとってそれは(どのように)存在するのか? これらの問いを考えるための手掛かりを探して、フェミニス虎は「(非シスのための)フェミニズム読書会」を開催していきます。 詳細は追って告知いたしますので、 どなた様も  お気軽にご参加ください。

<消された>トランスジェンダー  神谷宗幣(参政党)性差別発言 報道を検証する

イメージ
神谷(参政党)による性差別発言を伝える在京各紙 「高齢女性は子どもが産めない」 第27回参議院選挙の告示日となった7月3日。男女共同参画への批判を伴って行われた参政党代表・神谷宗幣による街頭演説は、性と生殖の権利(SRHR : Sexual and Reproductive Health and Rights)を軽視する女性差別であるとして多くの批判を呼び、その後の選挙期間中も、各地で抗議行動が呼びかけられる事態となった。 これらの運動にみられるシスジェンダー中心主義とトランスジェンダー透明化の誤りについては、既に指摘した。 ■ 【声明】「産む/産まない」を「<女>の価値」として語るな! この記事では抗議運動の問題とは別に、本件におけるメディア報道を検証したい。 「男性」を脱落させ、<女性>差別へと焦点化した各社報道 本件報道においては、各社とも「高齢女性は子どもが産めない」との発言に着目。結果としてほぼ全ての報道機関が、この発言をそのまま見出しに採用して報じる結果となった。 画面トップに示した画像は、神谷の性差別発言を伝える在京各紙の紙面記事(いずれも7月4日付)を集めたものである。読売と日経はベタ記事の扱いであるが、各社とも「高齢女性は子どもが産めない」との発言部分を、直接見出しに採用しているのが見て取れる。 だが、神谷が「子どもが産めない」と言い放ったのは、実際には「高齢女性」についてだけではなかった。 以下に、神谷の実際の発言部分を文字に起こしたものを紹介する。(下線による強調は引用者。 註1 ) “子どもを産めるのも若い女性しかいないわけですよ。

これ言うと差別だという人がいますけど違います。

現実です。

いいですか、 男性や 、申し訳ないけど、高齢の女性は子どもが産めない。”( 神谷宗幣・参政党代表、2025.7.3 ) ここでは神谷及び参政党の思想に充満するシスジェンダー中心主義が、明け透けに表明されている。神谷は、はっきりと「男性や高齢の女性は子どもが産めない」と述べたのである。 だがメデ...

【声明】「産む/産まない」を「<女>の価値」として語るな!

イメージ
第27回参議院議員選挙は、極右勢力が街頭で他人種・他民族・外国籍の者に対する差別、病者差別、発達障害者差別、女性差別、性的少数者差別と、ありとあらゆる差別を扇動し、人々を自民族中心主義の愚へと駆り立てる、異様な様相を呈した。 特に「日本人ファースト」なる言葉を弄して差別扇動を行なった極右、参政党代表・神谷宗幣は3日「 高齢の女性は子どもを産めない 」( 註1 )と発言。 それに対し、6日には横浜市・桜木町駅前にて「 女の価値を産む産まないで決めるな 」とのスローガンで抗議の街頭集会が開催される。この取り組みは、その後も「 参政党神谷代表発言に抗議する緊急アクション 」として呼びかけられ、全国各地で続々と抗議が行われた。( 註2 ) 我々はこの行動の趣旨に共鳴しつつ、しかし同時に、ここに現れた問題をさらに更に徹底して抉り出し、それと対決する必要があると考えた。 すなわち、参政党・神谷宗幣による発言は、個人の性を生殖に結びつけ管理し、抑圧しようとする家父長制の思想そのものであること。 この差別の命脈を断つには、それに真正面から取り組む必要があること。 問題を正しく認識するためにも、特にフェミニズムの運動においては、近時まだ記憶に新しいフェミブリッジによる差別発言について、本件と同様の厳粛さをもって臨むべきであること。 にも拘らず、未だ「 男が産めるのうんこだけ 」なる発言は、本人たちによる撤回はおろか、各友誼諸団体や言論人によって公に問題を指摘されることすらされていないこと。 以上を総ずればつまり、フェミニズム運動におけるこの、シスジェンダー中心主義の誤りを剔抉することなしには、極右ファシスト・セクシストの公然展開という事態を解決することはできない。 そう、考えたのである。 私達は残る選挙期間中、この「 参政党神谷代表発言に抗議する緊急アクション 」の現場に赴き、ともにファシスト参政党に対する抗議の声をあげることにした。 およそ一週間の間に都内近郊、計8ヶ所の抗議活動に参加( 註3 )。作成したバナーを広げ、極右参政党の思想と、「 男が産めるのうんこだけ 」発言にあるそれが、全く同種の性差別であるとの考えを世に訴えた。 また、7月19日、 越谷で...

激励行動をしました!「女性学がんばれ! 負けるなフェミニズム!」(於:日本女性学会2025年度大会・会場前)

イメージ
6月7日(土)、日本女性学会2025年度大会が、全二日間の日程で開幕しました。 私たちは、真に解放されたフェミニズムの実践を目指すフェミニストにエールを届けるべく、激励行動を企画。 事前にバナーを作成のうえ、「激励」と言うに相応しいリミックス曲を用意し、意気揚々と、会場である池袋の立教大学正門前に向かいました。 フェルト製ミニフラッグ付きのプラカードを持参した人も スピーカーから流れる、「がんばれ〜女性学♪」の声。間奏には、 “Y'all Better Quiet Down” のタイトルで知られる米国のクィア・アクティヴィスト、 Sylvia Rivera による1973年の演説( 註1 )が差し挟まれます。  14時から始まるシンポジウムに合わせて来場する人々にビラを手渡しつつ、「トランス差別を許さない、真に解放された女性学研究の場を!」と呼びかけました。( 註2 ) 当日配布したビラ(内容は コチラ から) 途中、わたし達の前で足を止め、声をかけてくれる一行が。聞けば学会に参加するために来たとのことで、自作したというバナーや、グッズを見せてくれました。 とっても素敵な“トラちゃん”に会えて、なんだか逆に励まされたような、温かい気持ちになりました。 当日の私たちの取り組みの様子は、その一部を、こちらのリミックス曲を収録した動画からご覧頂けます。 私たちは、学問研究の名を借りたトランスジェンダー差別、性差別の正当化が二度と引き起こされることがないよう、引き続き同学会の活動を注視して参ります。 註 註1  1973年6月24日。69年6月28日に始まったストーンウォール反乱を記念して毎年開催されるようになったゲイ・プライド(現在のNYC PRIDE の源流)は、この日3年目を迎えていた。マーチの後に開催されたワシントンスクエア公園での集会に登壇した Sylvia Rivera は、ブーイングに晒されながらも、当時、貧困から路上生活を余儀なくされていた多くのトランスジェンダーの窮状と、それを支援する自分たちのシェルター活動の孤立無援について、ゲイ・コミュニティの責任を告発しつつ、プライド・ムーブメントからのドラァグクイーンやトランスジェンダーの排除への反対を訴えた。なお、本動画の作成にあたり、 Sylvia Rivera  ...

【声明】トランス差別を許さない、真に解放された女性学研究の場を!〜日本女性学会2025年大会に際して〜

イメージ
当会は、日本女性学会2025年大会(6月7日・8日)の開催に際して、同会員たるフェミニストの皆様に、以下の声明を発出します。 ✳︎✳︎✳︎ トランス差別を許さない、真に解放された女性学研究の場を! 日本女性学会2025年大会に参加される皆様へ こんにちは。 私たちは、フェミニズム運動におけるシスジェンダー中心主義の転換を実現するべく活動しているグループです。 日本女性学会第23期幹事会は2月21日、昨年6月9日に武蔵大学江古田キャンパスにて開催された2024年度大会におけるひとつの分科会において、「トランスジェンダー当事者やトランスジェンダーの権利擁護の立場をとる参加者に対する攻撃や侮辱」(p13)があったことなどを認める 調査報告書 を 発表 しました。 わたし達は、この事態を大変深刻に受け止めています。 幹事会はこの報告書の提出を受け、"日本女性学会は今回の指摘、批判を真摯に受け止め、「学会活動の自由と公正のための宣言」(2006 年6月10日、日本女性学会総会において採択)に基づいて、大会を含めた学会運営の改善を検討してまいります"との コメントを発表 しましたが、その後具体的にどのような取り組みがなされることになったのか。何らアナウンスはないまま本日、日本女性学会は2025年大会を迎える運びとなりました。 一方その間、皆さんの学会活動に対する私たちの憂慮は、更に深いものとなりました。 3月18日付けにて発行 された、日本女性学会発行 「学会ニュース」第162号(ニュースレターN0.162) には、問題を指摘されたH分科会の報告記事が掲載されました。 同分科会にパネル報告者兼司会者として登壇した森田成也さんは、調査報告書において複数の問題を指摘されていながら( 註1 )、そのことには何ら言及することがないまま、上記「学会ニュース」において「全体として報告に賛成する立場からも批判する立場からも意見が出され、民主主義的な討議の場を保障するものであった」と、2024年のH分科会を振り返っています。 この報告文が掲載された次頁には、第23期幹事会からの「お知らせ」と題して、事件の経緯と上述の幹事会によるコメントが、調査報告書のQRコードとともに掲載されていますが、この二つの記事が何の関係も示されることもないままに並列されているという事態に、...